住宅ローンを組むときに、誰もが疑問に思う住宅ローンの基礎知識をわかりやすくご紹介!
大きな買い物だからこそ、住宅ローンを組む前にじっくり必要な知識を身につけましょう!

多くの住宅ローンでは、購入価格や建築価格の「8割まで」が借入の限度となっています。住宅購入の際には、建築費や購入費だけでなく、税金・手数料・引越し代等の諸費用がかかりますから、できれば3割の頭金(自己資金)を用意したいところです。
しかし、自己資金はあまりないけれども、どうしても「今」住宅購入したい!という場合には、頭金なしでローンを組むことも考えられます。民間金融機関では、融資限度額を物件価格の「100%まで」、あるいは「100%以上(諸費用分も合わせて)」借りられる住宅ローンも扱われています。住宅金融公庫支援機構と民間金融機関との提携商品である「フラット35」の融資額も以前は「8割」でしたが、「建設費または購入価額の9割」まで利用可能になっています。ローンは年収や勤続年数、年収に占める年間返済額の割合などの審査もあるため、融資限度額いっぱいの金額を借りられるとは限りませんが、検討してみる価値はあるでしょう。
ただし、表のように、借入額が多ければ、その分ローンの金利負担、返済負担は重くなります。表の例の場合だと、2割の頭金を用意するかどうかで、総利息負担は約370万円も違うのです。融資の審査に通って頭金なしでローンが借りられる場合でも、それが将来的にも「返せる金額」なのかどうか、慎重に検討したいものです。
例:3000万円の物件を購入した場合の返済額(元利金等返済、金利3%、35年返済)

住宅ローンを組む際には、ほとんどの場合、団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険に加入していれば、ローン契約者が死亡した場合には、保険金でローンが完済されるので、遺族がローン返済に追われる心配はありません。しかし、病気で働けなくなった場合でも返済義務がなくなることはありません。
そこで、最近は多くの金融機関で、特定の病気(ガンのみ、ガン・心筋梗塞・脳卒中の三大疾病など)になった場合、保険金でローンが返済される疾病保障つきの住宅ローンが発売されています。主な保障内容は、保障の対象となる病気で所定の状態になった場合に、ローン残高がゼロになるというものです。また、保障の対象となる病気で所定の状態が継続している場合に、一定期間、毎月のローン返済額が保険金として給付され、返済にあてられる仕組みのものもあります。疾病保証付きのローンは、通常のローン金利に0.2%程度金利が上乗せされます。
注意したいのは、対象になる病気にかかったとしても、無条件に保険金が支払われる(ローン残高がゼロになる)わけではないこと。商品ごと、病気ごとに決まっている所定の条件を満たさなければ保険金は給付されません。また、一般に融資実行日から3ヶ月間は保険の対象外の期間となり、所定の病気になっても保険金は支払われません。
なお、ローンに疾病保障の特約をつけられるのはローン契約時のみで、保険の中途付加はできません。また、商品によっては、加入者に年齢制限があったり、健康状態によっては加入できなかったりする場合もあります。
疾病保障つきのローンは安心ですが、通常のローンより割高ですし、別に十分な生命保険、医療保険に加入している場合には、保障が重複する場合もあります。商品内容や加入条件、給付条件も商品によりさまざまなので、利用を考える場合は、各社の商品をよく確認して比較し、加入している生命保険の内容も合わせて検討するようにしましょう。

住宅ローンの金利タイプは、大別して固定金利型・変動金利型の2つがあります。このほか、銀行などでは、固定金利選択型というものもありますが、これは変動金利の一種で、返済当初の一定期間(2,3,5,7,10年など)金利が固定されるものです。 固定金利型と変動金利型の特徴およびメリット・デメリットは下表の通りですが、一般的に、金利上昇局面では、変動金利型よりも固定金利型の適用金利が高く、金利下降局面では、固定金利型よりも変動金利型の適用金利が高めになる傾向があります。 そこで、例えば、今後、金利が上昇すると予想される場合や、借入期間が長期で借入金額が多い場合などは将来の安心のためにも固定金利型を選択するのがセオリーです、 ただし、ご相談者のように、共働き等で住宅ローンをガンガン返済可能のため、借入金額が少なく借入期間が短期の場合などは、変動金利型や固定金利選択型を選択する方法もあるでしょう。 いずれにせよ、金利動向や借入期間、借入金額、将来のライフプランなどを考慮して、よく検討することが大切です。

公的ローンには、「財形住宅融資」や「自治体融資」があります。これらは基本的に低金利で固定金利(財形住宅融資は5年間固定金利)、金利は融資申込時の金利が適用になるなどの特徴があります。最大のメリットは、やはり金利が低いという点ですが、融資条件が民間に比べやや厳しく、民間ローンからの借換えができないなどデメリットがあります。 一方、民間ローンは、銀行など民間金融機関が取扱っています。公的ローンに比べて、対象物件に対する規制が少なく、収入などの審査基準が比較的緩やかで、団体信用生命保険は強制加入であるなどの特徴やメリットがあります。 融資金利は、公的ローンと異なり融資実行日の金利が適用になり、変動金利型が中心です。そのため、金利上昇局面においては、金利変動リスクの恐れがあります。 なお、従来の公的ローンの代表格であった住宅金融公庫は、平成19年4月以降、「独立行政法人住宅金融公庫支援機構」となり、民間ローンとの提携商品「フラット35」を中心とした証券化支援業務へと移行しています。「フラット35」は、全期間固定金利で金利水準が低く、保証料・保証人、繰上げ返済手数料不要などが特徴です。 住宅ローンを選ぶ際には、まず自分がどのローンを利用できるか?利用の際の優先順位(金利、金利タイプなど)をどう考えるかがポイントです。

「親子リレー返済」とは、親子で同居する住宅を購入するための住宅ローンを組む際に、「子」を後継者・連帯債務者として、親から子へ返済を引き継ぐ住宅ローンの返済方法です。住宅ローンを借りる際には、借入時やローン完済時の年齢に条件があるため、たとえば55歳の方の場合、完済時年齢が70歳の条件のローンを借りる場合は、返済期間15年以上のローンは組めません。しかし、「親子リレー返済」を利用するなら子の年齢を基準にローンを組めるため、30年等の長期の借り入れが可能になります。
ただし、親子リレー返済は、住宅ローン控除は、返済している親か子のどちらかしか受けられませんし、子に返済を引き継ぐ段階で金利が上昇して返済負担が重くなる可能性もあります。また親子の借入金額や返済金額、共有持分があいまいになり、将来贈与等の問題が発生することもあります。利用の際は、親子で事前に十分にライフプランや返済内容を検討し、税務署等で税金面についても確認しておきましょう。
住宅金融支援機構と民間金融機関の提携ローンである「フラット35」では、下表のような親子リレー返済の後継者の条件を満たせば、申込時に70歳以上でも申込可能で、後継者の申込時の年齢で返済期間を計算できます(親族が住むための住宅には親子リレー返済は利用できません)。
一部の銀行等の民間金融機関でも、親子リレー返済の取扱いがあります。利用の際の諸条件は金融機関ごとに異なるので、事前に確認が必要です。

「親子ペアローン」とは、住宅等を親子で共有する場合に、親子それぞれで融資を受け、並行して返済していくもので、一部の銀行等の民間金融機関で扱われています。親子で借りることで借入限度額が大きくなります。
たとえば、総額3000万円の借入れをする場合、親が1000万円、子が2000万円というように分担し、購入物件は持分に応じて登記をします。親子それぞれで返済期間や金利のタイプは選ぶことができるので、たとえば親の返済期間は10年、子どもは30年といったように、無理のない返済プランを利用することができ、親子それぞれで住宅ローン控除も受けられます。
なおデメリットとしては、団体信用生命保険(ローン返済者が死亡した場合などにローン返済に保険金が充てられる)にはそれぞれで加入することになるため、親か子のどちらかにもしものことがあっても、残された方のローン負担はなくならないこと、親子リレー返済とは違い、それぞれでローンを組むことになるため、親の年齢が高い場合は短期間のローンしか組めないことなどがあげられます。
高額な借入れできるからとむやみに借りるのではなく、親子で将来のライフプランや返済計画について十分話し合い、無理のない範囲で利用するようにしたいものです。

住宅ローンをいくら借入するのかを考える場合、大切なのは、「金融機関が貸してくれる金額」ではなく、「自分が返済できる金額」を考えるということです。
その際には、将来のライフプランを検討した上で、毎月返済できる金額を無理のない範囲で決めます。例えば、現在は、共働きだけれども、将来子どもができたら、妻はしばらく育児に専念して働かないというご家庭では、現時点の夫婦共働きの収入で返済できる金額を計算してしまうと、返済が続かなくなる可能性もあります。
なお、各金融機関では、税込年収に対する返済負担率を設定しており、フラット35や財形住宅融資では、年収400万円未満の場合で30%以下、年収400万円以上の場合で35%以下となっています。ただし、この返済負担率は、金融機関から見た融資額の上限であり、家庭によって適正な返済額は異なります。そこで、自分が返済できる金額を計算するには、次の表のように、現在の支払っている家賃をベースに考えると現実的です。

毎月返済する住宅ローンの返済額には、最初に借りた元金部分に対する利息が含まれており、これをどのような内訳で返済するかによって、「元利金等返済」と「元金均等返済」という2つの返済方法に分けられます。
元利金等返済は、毎月の返済額(元金と利息の合計)が一定になるように返済する方法で、元金均等返済は、最初に借りた元金を返済回数で割った額に、残高に対する利息を上乗せして返済する方法です。
どちらの返済方法もメリット・デメリットがあり、どちらが有利か一概にはいえませんが、当初の負担をできるだけ軽くしたい場合は元利金等返済を、夫婦共働き等で収入面に余裕があり、総返済額をできるだけ軽くしたい場合は元金均等返済を選択するのが良いでしょう。
元金均等返済は、元利金等返済に比べると、当初の返済額は多くなりますが、元金が確実に減るために、それに伴う利息も少なくなり、返済が進むにつれて、毎月返済額も少なくなります。結果的に、総返済額も元利金等返済よりも少なくて済みます。 ただし、当初の返済額が多くなるので、収入基準を満たすためには、より多くの年収が必要となります。
なお、元利均等返済は、多くの金融機関で一般的に取扱っていますが、元金均等返済は、フラット35や財形住宅融資のほか、一部の銀行等のみの取扱いとなりますので、事前に確認が必要です。